白雪姫プロジェクトを応援します。
これまで6600社を越える中小企業の現場を見て歩いてきましたが、その中で毎年1回以上、必ず訪問させていただく会社が何社かあります。そのうちの1社に、川崎市に本社がある従業員数約70名の「N社」があります。訪問の理由は、N社が真に世のため人のためになるいい会社だからです。N社が、社会価値が高いという意味は多々ありますが、その1つが障がい者雇用への取り組みです。
事実、N社は、すでに50年以上前から障害者雇用に取り組み、今も従業員の約7割が障がい者なのです。「障がい者雇用促進法」の法定雇用率はわずか1.8%、しかも、日本の会社の約55%は法定雇用率以下であることを見ても、いかにN社が障がい者雇用に不来るから尽力しているかがよくわかります。
N社を訪問した折、必ずお目にかかりお話をさせていただく1人が「Hさん」という、今年68歳になる女性の社員さんです。彼女は50年以上前に養護学校を卒業し、今も第一線で頑張っているのです。
先日も機会があって訪問させて頂いた折、彼女に声をかけさせていただきました。「お母さんは元気ですか・・?」と。すると、Hさんは「はい・・、元気です。今年の秋には100歳になります。」と、はっきりとした大きな声で話してくれました。
8年前からHさんを存じ上げ、ほぼ毎年お会いしているのですが、Hさんの努力はもとより、労働と良き仲間たちの存在により、年々、障がいが克服されてきているのが良くわかるのです。
こうした「事実」を踏まえると、「どんな障がいや病気も決してあきらめてはいけない、負けてはいけない」と強く思います。
法政大学大学院政策創造研究科教授 坂本光司
プロフィール
坂本光司(さかもとこうじ)
法政大学大学院政策創造研究科教授、同 静岡サテライトキャンパス長
1947年(昭和22年)静岡県焼津市(旧志太郡大井川町)生まれ。
1970年法政大学経営学部卒業。
公共産業支援機関の勤務の後、浜松大学教授、福井県立大学教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、現在は法政大学大学院政策創造研究科教授。同時に、行財政改革審議会会長、NPO法人オールしずおかベストコミュニティ理事長など多くの公職を務め、障がい者雇用についての活動にも注力している。
著書
強く生きたいと願う君へ(WAVE出版)
日本でいちばん大切にしたい会社1/2/3(あさ出版)
日本でいちばん幸せな県民(PHP出版)
弱者にやさしい会社の話(近代セールス社)
他多数
Webサイト
オールしずおかベストコミュニティ http://www.all-shizuoka.or.jp/
日本でいちばん大切にしたい会社大賞 http://www.taisetu-taisyo.com/
坂本研究室ブログ http://yaplog.jp/sakamoto/
法政大学大学院政策創造研究科 http://chiikizukuri.gr.jp/