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植物状態の方への口腔ケアの大切さ

ぷーへのかっこちゃんの、お医者さんにとっては非常識な“かっこちゃん流リハビリ”が奇跡?を起こしたように、植物状態の方への刺激が意識や身体の回復に役立ちます。口腔ケアも大いに役立ちますし、また、肺炎の防止にもなることも実証され、その重要性が少しずつ認識され始めました。かっこちゃんの白雪姫プロジェクトと一緒に、広がってくれるといいですね。

1. 歯ブラシやスポンジによる刺激が脳細胞を刺激、活性化する。

手先を使う人は認知症になりにくいと言われますが、それは手先の感覚を司る脳の領域が広範囲に亘っているからです。歯肉、頬や舌など口の中の感覚を司る脳の領域は、三叉神経につながっています。その三叉神経への刺激は直接脳への刺激へとつながっています。しかも結構広く、そこで、歯ブラシなどによる刺激が脳の広い領域を刺激することになります。その結果、実際に口腔ケアすることにより、認知症が改善したり、意識や身体が改善したという調査結果があります。また、逆に、寝たきりになることで、口への刺激が届かなくなると、認知症が進んでしまうなどの悪い影響も考えられます。

2. 誤嚥性肺炎の防止

意識がある、なしにかかわらず、寝たきりになっている方は肺炎で亡くなる方が多いのですが、その原因のほとんどは、汚れた唾液や食べ物が食道ではなく、気管に入って起こる、この誤嚥性肺炎です。口から食べなければ、誤嚥性肺炎にはならないと思われがちですがけっしてそうではありません。口の中が清潔でないと唾液と一緒に細菌の塊である歯垢が、気管に入ってしまい、肺炎を起こしてしまうのです。口の中を清潔にする(口腔ケア)と肺炎が4割減ったという報告もあります。

更に一番大事なことは、声を掛けながら、心を込めて、回復を祈り、信じながら口腔ケアを行えば・・・・。

<注意>

自己流口腔ケアは逆に誤嚥性肺炎を起こし易くしますので、歯科医師や歯科衛生士に相談するか、指導を受けてください。

宮内昭穂

プロフィール

宮内 昭穂(みやうち あきお)
宮内歯科医院院長

経歴
1954年 宮城県生まれ
1972年 仙台二高卒業
1980年 東京医科歯科大学卒業
1983年 宮内歯科医院開

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