白雪姫プロジェクトは「誰もが思いを持っていて、回復する可能性がある」ということが当たり前になっていく世界をめざします

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全ての植物状態と言われている人に意識があり回復の可能性がある

脳梗塞や脳溢血、健康だと思っていた人がある日突然倒れて意識不明になる恐ろしい病気だ。「残念ですが、回復する見込みはありません」医師からそう宣告されれば、家族は諦めるより道はない。なぜなら医師の言葉こそ現代医学の限界なのだから。しかし、その医学の常識が今覆されようとしている。

脳死、植物状態の人たちには意識があり、回復の道があることが証明されたのだ。映画『僕のうしろに道はできる~奇跡が奇跡でなくなる日に向かって~』は、単なる闘病日誌ではない。脳幹出血で倒れ「余命3時間」と宣告された宮田俊也さんの回復によって証明された医学の常識への反証なのだ。この常識の壁に挑んだのは、石川県の特別支援学校教諭・山元加津子さん。障害を持つ生徒たちとの長年の経験が、彼女に余命三時間と言われた同僚の回復を確信させた。脳幹や原子脳を刺激することで、意思を表現する方法を失った植物状態の人々が目覚め、根気強いリハビリをくり返すことで言葉や身体の自由を取り戻していく。

その回復の記録が新進気鋭の岩崎靖子監督によって克明に記録されている。宮田さんは4年間の闘病後、仲間たちの支援と介護を受けながらも現在一人暮らしをしている。これは、宮田さん一人の奇跡ではないと山元さんは断言する。 植物状態で意識がないと言われている全ての人が意識を持っていて、回復する可能性があるのだと。彼女が主宰する「白雪姫プロジェクト」には今多くの事例や、支援を表明する医師などが集まっている。

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(日刊サン(ハワイ)2015年6月13日)