白雪姫プロジェクトは「誰もが思いを持っていて、回復する可能性がある」ということが当たり前になっていく世界をめざします

私たちの障害に関する常識は、根本から問い直されている。柴田保之
 ホーム > マスコミ掲載記事 > 毎日新聞2013年6月25日「白雪姫」
new 2013.2.26

「白雪姫」

いっぷう変わった名前の運動が静かに広がっている。「白雪姫プロジェクト」。病気は事故で意識障害が残った人に、効果的なリハビリや介護を続け、目覚めさせる取り組みだ。運動の中心は、石川県の特別支援学校教員、山元加津子さん。2009年に同僚の男性が脳幹出血で倒れ、医師に「一生、植物状態です」と言われた。近くに家族がおらず、山元さんは「きっと大丈夫」と信じ介護を続けた。やがて車椅子に乗り、首が動かせるように。訳一年後のある夜。首の動きに版のおうする特殊な文字入力装置を使い、男性は病室で思いをつづり始めた「満月をきれいと僕は言えるぞ」と。目には涙が浮かんでいた。その後、男性は一歩ずつ回復に向け歩み続ける。昨春プロジェクトを発足。講演や映画、ウェブサイトを通じ、「どんな人にも伝えたい思いがあり、回復の可能性がある」と訴える。はせなくても絵文字や装置を使い、意思伝達できるケースは多い。それが介護する側、される側の喜びや信頼を海、症状の改善につながる。「白雪姫と同じ。大事なのは、周囲のあきらめない心と愛情です」【鵜塚 健】

(2013年6月25日毎日新聞)