白雪姫プロジェクトは「誰もが思いを持っていて、回復する可能性がある」ということが当たり前になっていく世界をめざします

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れまで、回復に時間がかかったり、方法論も確立されていなかったために、医学的に回復困難とされてきた患者さんは、日本だけでも何万人もいると言われています。

回復のための看護やリハビリが行われていなかったために意識障害が残る患者さんが、人間らしい生活を再び獲得し、生活の質の向上を目指すことができる専門家による緻密な計画による安全なプログラムがあります。プログラムによってレベルはさまざまですが、回復する例も多くなりました。

食事や車いすでの散歩、排せつも時間通りにできたり、何らかのサインでコミュニケーションもとれるようになることは、その人がまたその人として生き直していく瞬間のように思います。

ぜひ、この方法が一般的になり、多くの方が回復していかれることを、願っています。医療関係者のみなさんや多くの方々に、回復する方法などを、広く知っていただきたいと願っています。

紙屋克子

プロフィール

一貫して意識障害患者の看護の実践と研究に取り組み、1991 年日本看護研究学会において意識障害患者を「重複生活行動障害者」と看護学的に規定することを提唱。
1992 年、NHKスペシャル・ドキュメンタリー「あなたの声が聞きたい-植物人間・生還への挑戦-」で紹介された看護活動は、医療・看護界のみならず広く一般の人々にも看護の成果と素晴らしさを伝えたことで注目された。
平成5年度 意識障害患者に関する看護活動の功績により、第27回吉川英治文化賞受賞
平成18 年度 「ケア付き青森ねぶた」活動により、内閣府バリアフリー化推進功労者賞受賞

1992年放映のNHKスペシャル「あなたの声が聞きたい」~“植物人間”生還への挑戦~で紹介された看護活動は、医療・看護界のみならず広く一般の人々にも看護の成果と素晴らしさを伝えた番組として、20年たった今も多くの人の心に残っています。
また、2009年放映のNHKスペシャル「私の声が聞こえますか」~植物状態からの帰還~でも、回復の見込みがほとんどないとしてこれまで積極的な治療は行われてこなかった“植物状態”と言われる患者さんに対して、諦めない治療によって回復の可能性があることを世界中に示したと言われています。
その二つの番組に出演し、独自の看護プログラムによって、意識がないと思われている患者さんや、ご家族に大きな希望を与え続けています。

紙屋克子さんの著書
1)私の看護ノート,医学書院,1993年
2)Quality of Life -医療新次元の創造- : 日野原重明編著(分担)メディカルレビュー社,PP.26-34,1996年
3)基礎看護学-実践看護技術学習支援テキスト : 川島みどり監修 (分担)自立のための移動援
助技術 ,PP.177-193,日本看護協会出版会 ,1999年
4)私たちの看護管理実践 : 紙屋克子,住吉蝶子,医学書院,2000年
5)ナーシングバイオメカニクス 自立のための生活支援技術VTR全3巻,中央法規出版,2002年
6)看護者が担う意識障害患者のケア:紙屋克子編著,メディカ出版,P.17-43,2004年
7)ナーシングバイオメカニクスに基づく自立のための生活支援技術(第2版),ナーシングサイエンスアカデミー,2006年
8)ナーシングバイオメカニクスに基づく自立のための生活支援技術(第3版),ナーシングサイエンスアカデミー,2010年

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